潜龍鍼師

WEBから鍼灸へ変えた話

ウィンブルドンでテニスを見てみた

テニスをしていた人間としては一度はあこがれるんじゃないだろうか?
たまたまこの時期にロンドンに住んでいて、またうちからは電車で30分と近い。
長く生きていれば、こういう機会が巡ってくるもんだなと。


うちのキャロルからはチケットをGETするのはそうとう難しいとは聞いていた。
でも、まさかチケットが取れるとは思っていなかった。案外やってみるものだ。
How To Get Last Minute Tickets to Wimbledon


どうもキャンプして張り込むと取れるみたい。
早速近くのスーパーで激安テント(£12)を買って、タイ人の友達と現地に向かった。

現地に着くと、そりゃもう人だかり。そんな人だかりもほとんどは当日チケット目当て。
まあ何といっても、始まって3日目だからね。
おそらくこれが、終盤のベスト8とかになったら、馬鹿みたいな人だかりだろうね。
ちなみに男子ファイナルとかになると、当日チケットはない。全て予約みたい。
噂によると一年前から予約されているとか。
WEB上のチケットを見たら、なななんと£3749!!!(日々値段が釣り上がっている)
あほかいなー、60万円なんですけどー。。。。来年のチケットGETして売りさばこっかなー。


それでも前日の朝からキャンプする人はそんなにいなくて、列の前の方をGETできた。先頭からは28番目
次の日の朝には1000人ぐらいの列になっていた。
まあこれぐらい前にいたら、どの席でも取れるやんけと思った。
席に関して、事前に情報収集していたのはよかった。実は日本人のおばちゃん3人組と知り合った。
どうやら彼女たちはウィンブルドンの常連さんで、かれこれ15年間毎年このために来ているそうだ。
なので、どうやったらサインをもらえるかとかも知り尽くしている。
自分の友達はどうしてもフェデラーのサインが欲しいらしく、
サインをもらいやすい席というのが、通路番号(gangway)101でできるだけA列に近い列がいいとの事。

なので、チケットを買うゲートで101だ101をくれー!!と連呼した。
とうとう念願のセンターコートチケットをゲット。サインもついでにGETや!と思った次の瞬間凍りついた。

101というのはシート番号で通路番号じゃない。やってもうた。。。
チケット買うときに逆さまから見ていたから角の番号を通路番号だと勘違いしていた。
チケットのおっちゃんももうちっと気いきかせろよ。誰がシート番号なんてオーダーするかよ、とか思ったけど後の祭り。
人間熱くなることはいいんだが、冷静な判断が必要となるとこでは、
ただの馬鹿だということをまた一つ学んだ。


まあしかたない。気を取り直して、センターコートで見れることには間違いない。


伊達公子(世界ランク142位) vs Wozniacki(世界ランク9位) No2 court

伊達選手の今回のウィンブルドンは大会側の推薦枠。
大会側の理由は「長年の競技への貢献と、ウィンブルドン選手権での実績を考慮した」だそうな。すごいですねー。
コートに姿を現して一番初めに思ったのが、日焼けて肌が黒いのと筋肉がついているということ。
相当の練習量と筋力強化がうかがえる。

彼女のストロークが健在でかつ、世界のレベルに負けていないことはうれしい。
ライジングからフラットめなストロークで早い展開。積極的に前に出て決めていくというスタイル。
こんなスタイルの選手は世界でも他にいないんじゃないだろうか。
そんな感じでなんと第一セットは7-5で取ってしまった時は、熱かったね!
相手世界ランク9位なんですけど。年齢差20歳なんですけど。

結局逆転負けしてしまったけど、足の故障によるみたい。
コートでマッサージ受けてたりしたし。一ヶ月前の全仏でも左膝で棄権している。

でもこれを読むとなんで彼女が復帰して、そんなにもがんばるかがわかる。なんかもう哲学やね。

杉山愛 vs Santonja No18 court

この試合は18番コートで行われた。このコートちょっと特殊でグラウンドチケットで見れるのに、観客のスタンドがあったり、
カメラも設置されていてテレビ放映もされる。
杉山選手のテニスは粘りのテニスだと思った。どんなに打ち込まれても全部とって丁寧に返す。
逆に相手はパワーテニスでがんがん打ち込んでくるが、いまいちミスが目立つ。
精神的に崩れると連続してポイントを落とす。このあたりはキャリアの違いかなと感じた。
彼女の勝ったときの笑顔はすごく印象的だった。

Sharapova vs Dulko Centre court

初めてセンターコートに入った時の空間の広がりには驚いた。
たった一つのコートを見るために、こんな多くの観客で埋め尽くされている。
まあ無理もない世界で最高の試合なわけだから。

で、さらにびびるのは、Sharapovaの声のでかさ。1ショットごとに絶叫している。
決め球のとこで、一段とでかく叫ぶと、観客は苦笑している。
それでも、2ゲーム目はだんだんとショットが入るようになってきた。6-3で取ったときはかなり観客もヒートUPしていた。
とにかくリターンでもエースを決めるぐらい。残念ながら3ゲーム目は何かがぷつっと切れたようで粘り切れなかったようだ。

Federer vs Garcia-Lopez Centre court

ランキング2位とランキング42位の選手の間には大きくプレーの差がある。
だって、Federerは簡単にブレークするし、相手選手もプレッシャーからか簡単なミスも目立つ。
でも、Federerの決め球のショットはものすごかった。あんなショットは見たことがない。
でも力の差がありすぎて、うーんちょっと試合になっていなかったという感じ。

Cilic(チリチ) vs Querry Centre court

この試合序盤は結構サービスゲームをお互いキープするだけで、そこまで熱くなる内容ではなかった。少なくとも自分にとっては。
だから、センターコートを離れて、他のコートをちら見して戻ってきたときには、大きく内容が変わっていた。
5セット目に入っていて、2人ともへろへろだった。にしても序盤とはだいぶ雰囲気が違って、
サービスゲームをキープするというものではなく、互いにラリーをがんがん打ち込んでいた。なりふりかまってられないという感じ。
観客も"Come on Sam!! Come on Marin!!"というように応援が絶えない。
終いには、休憩中に観客にWAVEが起こった。
満身創痍の彼らを応援したいという気持ちが場内を2週半駆け巡った。


とにかく長い長い戦いだった。見ているこっちが疲れてくるほどに。
試合が終わったときにはすでに21時を回っていた。



こうして俺たちの初夏のウィンブルドンキャンプツアーは終了した。
もしかしたら人生で最初で最後の経験だったかもしれない。
そういう機会を与えてくれたロンドンには感謝している。

ウィンブルドンの全ての画像


彼らの圧倒的なパワーや強靭な意思を垣間見ていると、
自分も膝を直して、再びテニスがしたい、ウルトラ100km完走したい、
カイトでハンドルパスしたいといったやる気をふつふつと沸かせてくれる。
そんな人に活力・生きる力を与えてくれる人こそ、本物のプロだなーと感心してしまった。


PS:
うちで見ていたデービッドはテレビに映っている自分を見たらしい。
結構見られているもんだ。
まあ、髪の毛がうざくてバンダナ巻いていたから目立ったのかもね。


ちなみに知ってました?
BBCのWEBサイトでテニスの中継が見れるんですよ。こっちの時刻で毎日12時から始まります。
しかもセンターコートやNo1からNo4、No18を選択して見れるんでっせ。ぜひ試してください。
http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/tennis/