潜龍鍼師

WEBから鍼灸へ変えた話

チャリ旅行記 屋久島編 その3

5日目 栗生⇒ 尾之間 ⇒ 栗生 35km

朝から爽快だった。
昨日の外人さんと少し話してみた。
英語を発音するなんて、いつ以来だろう。
それでも相手がチャリダーだと、話そうという意欲がわいてくる。
彼らはフィンランド人で2人で世界をちゃりちゃりやっているらしい。
メガネをかけた方は28歳、会社を辞めて旅を始めたらしい。
もう一人の子供っぽい方は18歳一体どういう組み合わせなんだ?
これからフェリーで九州に行き、北上して、呼子壱岐⇒四国⇒北海道をまわるらしい。
ここに来る以前も、世界のあっちこっちを旅していて、何でもスイスのマッターホルンを走った時は、
4日間上り坂が続いたそうだ。一体どんだけタフなんやねん。


そして2人のオッサン(Uさん・Iさん)は、実は福岡の香椎に住んでいるらしい。ご近所さんだった。
目当ては、70cmオーバーの黒鯛だそうだ。
釣りの事もいろいろ聞いた。えさはウニを使っているとか、
天気や風向き、潮によってもつれるかどうかは異なるらしい。


この日は山に登るための食料を買出しに、尾之間のAコープへ行った。
その途中、湯泊のタダ温泉に行ったら、おねーさん二人が入ってた。
さすがに上はTシャツ着ているが、下はなぜかパンツ。
でも、意外と特に何も思わなかったから、「入っていいですか?」って聞いて、
一人で素っ裸になって、浸かっていた。

湯泊まりの湯船


警察行って、登山のことについて聞いてきた。
よく覚えているのが、屋久島の山の地形は特殊らしい。
普通の山は下っていけば、ふもとに降りられる。




屋久島は普通の山と逆で、ふもとに近づけば近づくほど急になっているから、より危険性が増し、さらに精神的にも追い詰められ、滑落事故が後を立たないらしい。実際に毎年、数人死んでいる。だから、逆に尾根に向かって行くべきなんだとか。気をつけよう。


Aコープにいって、がっつし買ったら、3700円にもなった。
うーむ、屋久島の物価は安くないね。
帰りに念願の平内海中温泉(100円)にいった。
こんだけダイナミックな湯船もなかなか珍しいだろう。
基本的に干潮の前後4時間しか浸かれない、ということは要するに波打ち際ということ。
湯船はコケでなんかぬるぬるしていた記憶がある。
で、なにが衝撃だったかというと、おばちゃんが素っ裸で温泉に入っているわけ。
人まで、ダイナミックというか、アバウトだ。


キャンプ場に帰ったら、Uさん達に焼き飯をもらい、温泉に行こうと誘われたので、
車に乗って、また尾之間に逆戻りした。車は楽だね〜。
今日3回目の温泉。尾之間の温泉(200円)が一番普通で湯加減も熱くて最高。

6日目 屋久島一周(車) 105km

この日は、昼前からUさんたちが車で空港前のDIYまで行くらしいので、
便乗して乗せて行ってもらった。
風が超強くて、大浦温泉(300円)の前の海辺の波がやばいことになっていた。
5mぐらいあったと思う。岩にあたった波しぶきが、50mぐらい離れているここまでくるんだから。
ヨットに乗り始め、海に結構出ていると思うが、ここまでやヴぁい波は初めて見た。


帰りがけは、西側の西部林道を通ったが、初日こっち側をチャリで走らんくって良かったと思った。
山道も山道、結構高さも上がるし、ヤクザルだかヤクシカだかいっぱい出てくる。
(といいつつ、2006年に来たときには西武林道をチャリで走った。結構しんどかったわー。
自分がプロフィールで使っている画像は、このとき西部林道でとったもの。)


夕方キャンプ場に戻り、またまたコインランドリーの中で鍋をした。
なんて幸せなんだろうか。
なんちゃってチャリダーには、柄の間の暖かさに、
気持ちがゆるゆるになっていた。

7日目 栗生 ⇒ 宮之浦(標高0m) ⇒ 白谷山荘(標高825m) 徒歩10km

今日はUさん達が帰るとのことで、またまた便乗して宮之浦まで乗せてもらった。
宮之浦岳に登りたかったが、南からのアプローチは大川の滝のとこらへんからもいける。
しかし、かなり迷い易くリスクが高いと聞いていたから、初心者は普通のルートで宮之浦から入ることにした。

ふもとの観光事務所で登山届け出したら、もう一人の登山者が既に山に入っているから、
おそらく白谷山荘で一緒になるでしょうと言われた。誰かいる方がいいと思った。


ふもとから山荘までざっと2時間半かかった。山荘の中は荒れ果てていて、
ここに一晩泊まるのかと思ったら、ちょっと躊躇した。できたら次の山荘まで行きたいが、
もう日没で既に薄暗くなっている。


で、荒れ放題の山荘の中に一つ変な部屋があった。
扉が開かない。
でもその扉に、鍵はない。
ということは誰かが中にいるのか?
まさか。。。
ここで、ふもとで言われたもう一人の登山者の存在が脳裏をよぎる。
誰が何のために?そんな面倒なことをするだろうか?
いろいろな考えが浮かんでくる。
深夜襲われるのだろうか?
気が気でない。飯も適当に缶詰を食って、寝ようとしたがなかなか寝付けない。
怖いから、Uさんにもらったサバイバルナイフを手に握り締めている。
うとうとと、疲れたからだは意識を遠ざけては、また戻ってくることを繰り返した。
扉が開いて、闇の中の何者かが自分の首を絞めてくる夢まで見た。
ものすごく長い時間に感じられたが、時は経って外が白み出してきた。
すぐさま飛び起きて、こんな山荘は後にした。
このとき朝の5時。


マジでこんな恐怖は初めてで、今後一切ごめんだね。
で、その山荘の画像
この画像より、もっと荒れ果てていたと思う。