潜龍鍼師

WEBから鍼灸へ変えた話

チャリ旅行記 日本縦断編 その1

自転車の遠乗りをする人なら一度は憧れたことがあるかもしれない。

日本縦断

やるならちょっとできそうかどうかわかんないが、でっかくやりたい。
じゃ端から端でいいやんけ、ということで当時住んでいた福岡から
北海道を目指すと言う単純な考えからだった。
鹿児島からじゃないと縦断にならないと言われるかもしれないけど、
まあ前回行ったし、細かいことはいいや。


何でそんな疲れることをするのか?
ホント単なる興味。本当にこの道が青森まで続いているんだろうか?
もし、到達できたなら何かわからないが、いい気分になれるんじゃないかと思って。
ものすごく抽象的だけど、結局大きな選択をするときなんてロジカルじゃないみたい。
なんかいいじゃんぐらいの感じ。
やるなら最速がいい。自分の中では自分との戦闘という感じだった。
だから、宿をどっかにとってとか、そんなぬるいことは不要。
鉄道の無人駅で寝る。もしくは公園のベンチ。
一日走って、体力が尽きた時点でなだれ込むという寸法。
まあ、この平和な日本で殺されることもないだろうとタカをくくった。都会じゃなくて田舎だし。


前回の屋久島で経験した点をフィードバックして下記の点を変更した。

・雨天で泥はねがひどく顔にかかり視界確保ができない。背中もべた濡れ。
 =>前輪に泥除け装着 後輪は搭載したバッグが泥除け代わり。
・チューブラータイプのタイヤがパンクすると、全部交換するしかなく、
 また、雨天時に交換後すぐに走り出すのはタイヤが外れる危険がある。
 (リムセメントが乾ききらないから)
 =>WOタイプという一般的なタイヤに変更。これはチューブとタイヤが分離でき、
 パンクしても簡単に補修できる。
・背中に重い荷物を背負うとケツの穴に負荷が集中して痔になり、
 トイレで恐ろしい痛みと戦う羽目に。
 =>自分はMじゃないので、バックをチャリに直接搭載し背負わない。
 軽量化のためテントもコッヘルもバーナーもなし。寝袋のみ。
 着替えは3日分ぐらい持ち洗濯して、晴れたら自転車の後ろにくくりつけて、
 走りながら乾かす。実際には、毎日ほとんど雨ばっかだったので濡れっぱなし。




2001/9/11 福岡 => 長門 180km

今日とうとう念願だった北海道へ旅立った。
天気は台風が近くにいるみたいで、風が強く風向は北=>北東
要するに台風に追いかけられる感じで背中に背負っていることになる。
初日から向かい風はきつい。数日して徐々になれた後ならまだしも。
でも、このまま追い風になったら相当すすむんじゃないかと期待もした。
にしてもファミレスのジョイフルがべたべたにある。だから昼も夜もそこ。
ジョイフル万歳だ。
夜は結局公園の自販機の前にベンチがあったからそこで寝た。
雨がぱらぱらしてきたがまあ何とか屋根があったからしのげた。
で、寝初めて30分した時若者4人組がやってきた、
なんかこそこそ話をしていたがやがてどっかいった。
後から遠くでにぎやかに盛り上がっていた。
田舎の若者は夜中こんなとこに来てwデートかよ、
安上がりやなとか思った。
向かい風の割りに180Kmぐらい走ったのは初日の出だしとしてはまずまずだ。
このままスタミナを維持していきたい。



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2001/9/12 長門 => 浜田 139km

朝ペースを早めに行ったが、鎖峠(231m)のアップでやられてダウン。ほとんど押した。
下りはその分だけ最高だった。チャリのいい点は下りの爽快感。
この日の風向きは昨日にも増してもっと最悪で真正面からだった。
山口県の地形は結構きつい。須佐の手前までかなりの多くのトンネルを通った。
長いとこの真ん中では懐中電灯をつけるぐらい暗かった。
歩道は狭いし、いつトラックにふらふらと巻き込まれてもおかしくない状況。
トンネルの先が遥か遠くにぼわっとかすんで、奇妙な世界をかもしだしている。
須佐を抜けたら、ぱーっと一気に視界が広がった。
真っ白な白波が打ち寄せる。海一面真っ白。こんな時、自分の中の何かが突き動かされる。
何だろうか?この暴れるような、でも暴力的ではなく、何かを破壊するでもなく、
そう、"やってやるでー"という感じだ。

このあたりは結構温泉がある。一日が終わった時点で入って寝られればベストだが、
そううまくいかない。明日入ろう。
国道9号に入ってからは踏んだり蹴ったりだ。車の事しか考えていない。
トンネルで歩道がなかったり、勝手に車道と切り離されたり。
それに引き換え191号はよかったわー

どっかの町役場のテレビで信じられないものを見た。
アメリカでテロだとか。そう今でこそ歴史に刻まれることとなった9/11の日。
旅の2日目、ニュースで飛行機が世界貿易ビルに突っ込み、倒壊する動画を今でも鮮明に覚えている。
日付が一日異なるのは、日付変更線をまたいでいるからだと思う。



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2001/9/13 浜田 => 斐川 96.5km


今日は朝から、他のチャリ野郎に会った。
なんでも8月後半より明石から旅に出て、北海道を回って、
今に至るとか。一日に150km〜200km進むらしい。
とんでもない奴だ。18歳だとか。
でも日本を回るのは既に三回目らしくて、道をわかっていた。
彼曰く、旅に出て一週間は筋肉痛らしい。
この筋肉痛があと一週間も続くのかと思うとげんなりしてくる。
やっと、温泉に入った。温泉津温泉(¥200)ゆのつおんせんと読むらしい。
とにかく濃かった。
白く濁っていて、そう別府のように壁が茶色く変色して、
卵の腐ったような臭いはしなかったが、
鉄っぽい臭いがした。飲めるみたいで、
口に含むと効く薬と言う感じで、塩辛く変な鉄分の味もした。
風呂は情報交換の場所だ。いろんな人が集まってきて話をする。
本来人間とはこういう社会的な生き物だと思う。
ここで聞いた話で一番印象的だったのは、北海道の羅臼というとこが一押しらしい。
変な名前だったので頭に留めておいた。
後から振り返ると、旅先で言いと言われたとこはことごとく行っている。
誰かから聞いた能登も会社の同僚と数年後に行くことになる。

チャリ野郎に見習って、朝を有効に使うことに決めた。
要するに距離を稼ぐ方法は時間をとにかくかける事。
寝るのと飯以外は、常にコンスタントにこぐことなんだろうなと。
雨でもだ!後つかえるのは明るいうちが結局効率がいい。



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